皆さんこんにちは。営業の嶋です。池袋は冬特有の「からっ風」がピューピュー吹いています。こういうときは、おとなしく暖かい部屋の中で読書でもしていたいものです。
というわけで、今回は本のお話。本は本でも最近再び脚光を浴びつつある「電子ブック」のお話です。
年が明けるとラスベガスで「CES」という情報機器の見本市が開催されます。世界各国から様々な企業が出展し、かつてはXboxやファミコン(現地では「NES」と呼ばれています)のお披露目の場ともなった由緒正しい情報機器のイベントです。今年は1月7日から4日間開催されました。
デジタル物大好きの自分ですが、諸般の事情(主に財布の事情)で直接見に行くことはできず、泣く泣くネットの記事をいろいろと眺めているのですが、新型のスマートフォンやノートPCに混じり、今年は「電子ブックリーダー」と呼ばれる、一昔前の電子手帳のような機器がパビリオンに数多く並んでいる記事が目につきました。
電子ブックリーダーとは、文字通りデータ化された本を読むためのデバイスです。携帯電話などでも同じようなことはできますが、電子ペーパーを採用している電子ブックリーダーは画面切り替え時にしか電気を使わないため電池の持ちが非常によく、かつノートPCなどよりも薄型軽量であるという特徴があります。
また、携帯電話網などを使って本や新聞を購入したり、内蔵の辞書で単語の意味を調べたりもできます。日本では権利の問題がまだクリアされていないため、現状購入できるのはほとんど洋書ということになりますが、日本でも普及することになれば「いつでもどこでも好きなものが手軽に読める魔法の本」になりますよね。本の形はしてませんが......。
ちなみに個人的に気になる電子ブックリーダーをいくつかあげてみましょう。
Amazon Kindle
現在サイズやスペックの異なる3タイプが発売されています。携帯電話網を利用し、PCレスで電子書籍などをダウンロードすることができます。国内でもAmazon Japanで購入することができます。
Sony Reader
ワイヤレスの通信機構は搭載しないものの他メーカーの製品よりも安価で専用サイトからはGoogle Booksが提供するパブリックドメインの本にもアクセスすることができ、実に100万冊以上の書籍を楽しむことができます。残念ながらアメリカのみの展開で日本のソニーでは販売していません。
nook
アメリカの書籍チェーン店が展開している端末です。OSにAndroidを採用し、携帯電話網を利用して書籍をダウンロードできます。また、無線LANを内蔵しているので書店内のホットスポットを利用することも可能です。本体下部に小型のカラータッチパネルを搭載しているのが特徴です。
Skiff Reader
2010年になって発表されたばかりのモデルです。ネットブックと呼ばれる小型PCよりも画面サイズや解像度が高いというのが最大の特徴です。(11.5インチディスプレイ、解像度1600x1200)画面が大きいことから新聞や雑誌などを配信し、その広告料で収益を上げるビジネスモデルも模索しているみたいです。
さて、この電子ブックリーダー。私も含め多くの方が気になるのは日本の文化とも言える「マンガ」が読めるのか、という所だと思います。
実はこの手の機器は表示機器の性質上、複雑な階調を持つ画像を表示することが難しいとされています。小説など活字のデータを読むだけであればせいぜい「フォントが微妙に違う」くらいで済むのですがそれが絵となると全く話は変わってきます。
一般的にマンガは白黒で描かれます。ただスキャナなどで取り込んだ場合、線のにじみなどの部分を中間色として取り込んでしまうため、実際のデータは「見た目白黒に見えるフルカラー」で取り込まれてしまいます。しかし、電子ブックリーダーは白黒4階調~16階調程度の表示にしか対応できないため、そのまま表示することはできません。また、フルカラーで多く使われるJPEGフォーマットはモスキートノイズが出やすいのでマンガのように白黒のメリハリがついた画像にはあまり向かない、というフォーマット上の問題もあります。(こちらのエントリーで解説しています)
「じゃあ綺麗に取り込むためにはどうしたらいいんでしょ?」
その答えはPNG形式などのインデックスカラーを使用したフォーマットを使うことです。(インデックスカラーについてはこちらのエントリーから)
百聞は一見にしかず、と申しまして......と書くと落語の枕みたいですが、試しにウェブテクノロジのロゴをJPEGとPNGで保存してみました。320x55、フルカラーの画像をOPTPiX iMageStudio for Mobile Contentsを使い、「ファイルサイズを1KB以内に納める」という設定で処理しました。

(上:JPEG 1,007bytes 下:PNG 939bytes)
結果は一目瞭然。PNGは拡大してもロゴの輪郭はくっきりと表示され、きちんと読み取ることができます。逆にJPEGはロゴの周辺にノイズが発生し、最後の「(R)」の文字は全く読み取ることができません。JPEGは写真のような色数が多く、なめらかに色調が変化する画像には向いていますが、色数が少なく単色の上に文字や線が載るような画像にはあまり向いていないのです。
なので電子ブックリーダーで綺麗な画質でマンガを楽しむには、取り込んだ画像を減色処理し、階調を整えた上でインデックスカラー形式で保存するというのが最良の選択になります。
時間効率を考えればスキャナで取り込む段階で4階調のPNGで直接保存するのが一番手っ取り早い方法となります。しかし質を追求するのであれば取り込んだあとに4階調まで減色処理し、かつ画像圧縮をかけて保存した方が綺麗に仕上がり、サイズもコンパクトにまとまります。電子ブックの大半がネットから直接購入する、ということを考えると「綺麗に表示できてしかもサイズが小さい」というのは非常に重要なことになってきます。
大量の画像をリサイズ、適切に減色処理し、規定のフォーマットで出力するという事に関しては私たちの得意分野でもあります。OPTPiX iMageStudio for Mobile Contentsで使われている「機器情報」のノウハウを使えば、現状ばらばらの電子ブックリーダーのディスプレイサイズや階調にも対応できますし、大量の画像処理もお手の物です。そのうち「OPTPiX iMageStudio for e-book reader」なんていう製品が必要とされる時代がくるのかもしれませんね。
【2010年2月4日追記】
アメリカ時間で1月27日にAppleから「iPad」が発表されました。電子ブックリーダーとは全く仕組みが違うものですが、同様の使い方もできますし、なによりこっちはカラー液晶です。要注目ですね。